車輪の国、向日葵の少女

 一言で表すなら、「夏ゲーだねっ? PC内はきっとあっついねっ。買うならお古かなっ? キャラは痛々しいよーっ? 精を出すと気持ちいいよね?(下品)」である。


●現代の日本と似て非なる世界。設定が変わっていて、現実の日本は「SF小説で描かれる国」となっている。日本とのわかりやすい違いの一つが、ヒロインたちに課せられた独特な義務。

 賢一の国において、罪の解釈は広い。
 日本では、いくら働かずに自堕落な毎日を過ごそうとも、刑務所に送られるようなことはない。親の言いつけを守らなかったからといって、国がでしゃばって子供をしつけるような法もない。どんな極悪人にも人を愛する権利はある。
 それが、賢一にとっては幸福に思える。
 賢一の生きる社会では、怠惰は立派な犯罪であり、家長に従わない子供は矯正され、ときには自由な恋愛すら法によって禁止される。
 そして、それぞれの罪に応じた罰として、特別な義務を背負って生きるのだ。刑務所に入れられることはないが、日常生活に自由はない。囚人服を着る代わりに、服の目立つ場所に、罪人であることを示すバッジを貼り付けなければならない。異性との接触が禁止されたり、一日が十二時間に設定されたり、親権者に絶対服従しなければならなかったり……。

「罪人」である三人のヒロインたちを更正指導し、義務が不要になったと証明すること。それが主人公・森田賢一が目指す特別高等人の最終試験。

●「恋愛できない義務」は、あまりにメインヒロイン仕様の内容だったので笑いそうになった。……まあ特に珍しいものでもないか。主人公とヒロインの恋愛に、なんらかの障害が存在するのはお約束。義務と言い換えることができる強制力が存在する場合は多く、そうした障害は排除されるために設定されているわけで。

●物語は全五章。第二章からが各ヒロインごとのシナリオ。避けられない「試験」とすることで、美少女ゲームの王道展開「ヒロインの悩みを主人公が共有し、その解決を模索していく」に必然性を持たせているのは見事。

●レベルの高い脚本が最大の魅力。テーマ性も高く、また幾重にも張られた伏線の妙は見事という他ない。シナリオ以外の要素も総じて高水準な作品。

●どのヒロインを選ぶかによってエンディングは異なるものの、基本的に一本道のシナリオ(バッドエンドあり)。二周目以降が既読スキップを繰り返す作業になってしまうのは難点。ゲームではなく物語としての完成度を追求するなら、ヒロインは日向夏咲のみで問題なかった気も。

●伏線の未回収があるのも残念。第三章での、何度かの「ぶっ殺すぞ!」のホラー展開は、まさか本当に夢オチということもないだろうし……? 最初は麻薬の幻覚症状かとも考えていたのだけれど。

●多彩な仕掛けは魅力十分でありつつも、そうした技巧の部分に重きを置きすぎた印象はあった。独特の世界設定や数多くのギミック、泣きを意識した演出だけで引っ張れたかと考えてみると……少し疑問が残る。やはり「感動のヒューマンドラマ」と書いてしまうのは下策。身構えて逆に感動できない。


 ――備考。

●それでもゲーム本編は十二分に秀作と言える出来なのだが……イエティによる移植版は開発が中止されたり(代わりに5pb.から発売された)コミカライズ版も未完で終わったり、続編『光輪の町、ラベンダーの少女』のシナリオ担当は新人だったりと、やけにケチが付く。

●本編同様に、るーすぼーいさんシナリオ担当のファンディスク『車輪の国、悠久の少年少女』も発売中。よって『車輪』と略すのは紛らわしい。ならばと『向日葵』と略してしまうのは軽率。平仮名表記を含める場合そちらの略称のほうが多くなる。

「『向日葵』と略す人間は三流。上手かみてに『漢字の』を付ける人間は二流。森田はいつになったら一流になるんだ?」


 推奨度――A。


プロフィール

Author:わたげor火山
多忙で放置しがちになってしまったブログです。久々にエロゲーやりたい。

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