うたてめぐり

 一言で表すなら、キラーイジーンである。


●ジャンルは「恋とバトルの学園アドベンチャー」。ご都合主義に満ちた設定により、バトルは「深夜の学園」にほぼ限定される。異常なほど広大な敷地。……これだけ広いと通信手段は重要なはずなのに、シナリオ上の都合か携帯電話を全く使わない日高皐月は、FLAT主人公にあるまじきバカさ。

●脚本家の筆力に問題あり。とりわけ第二・三章は不足が目立つ。一人称視点と三人称視点がコロコロ変わるテキストは、小中学生の書いたライトノベルめいている。地の文で「俺は~」と記された直後「皐月は~」などと出るのに失笑。

●テキストとCGの不一致……と呼ぶにもおかしい点が多々ある。例えば瞳が赤いヒロインがCGによって青くなったり、主人公に続いて隣に座ったはずのヒロインが壁側(手前ではなく奥)だったりと。そも第二章の題は「魔剣の巫女と黒の遣い魔」だけれど、黒いと思えないのは自分だけ? 漆黒の鎧……そう見えなくもないが……。

●あまり黒く見えない「黒い獣」について。

巨大な体躯からは想像もできない俊敏な動き、常人では目で追う事すら難しい圧倒的な速度で、獣の牙が俺に迫る。
目の前には、絶対的な“死”という名のリアルが突きつけられていた。
わずか数秒後には、俺の身体は物言わぬ肉塊と化すだろう。

 さして離れてもおらず「常人では目で追う事すら難しい圧倒的な速度」のはずなのに、なぜか数秒後。この物語には「即死」の概念がない気がしてならない。瀕死の人間がやけに長く末期の言葉を遺すのも特徴。

●文も絵も褒められる出来ではないものの、曲はレベルが高く挿入歌も多い。『うたてめぐり』だけに歌には力を入れたのかもしれない。オリジナルサウンドトラック目当てにショップめぐりをするのも手。

●各章のセレクトを除いて選択肢はなし。一つの章を終えることでプロローグ後に新たな章が選べるようになる。プロローグのスキップ機能がないのは少々不親切。

濡れ場が三つしかないのもフルプライス作品としては厳しい(『キラークイーン』は二千円しないロープライス作品)。なのにシーン鑑賞画面のセレクト数は二十七もあり、大半はクリア後の声優コメントで埋まる。何かと似ている母親役のお二人には全面的に同意。

●ヒロインは三人。それぞれ深く関係するサブヒロインも存在する。サブ三人は「いかにも攻略できそうなのに無理」という、例の歓迎されないお約束。……その六人中、第一のヒロインである織姫恋花の姿だけがパッケージにないのは謎。


 ――備考。

●恋花(カレン)の謎は、全て「大人の事情」に終始するのが悲しい。わざわざ制服に着替えてから濡れ場に入ったり、プロモーションムービーでは銃を構えているのに本編ではナイフばかりだったり……。第一章では一度たりとも撃たなかった。よってコレは嘘。プロモと製品版のムービーを比較すると、明らかなヒロイン格下げが発生していて泣けてくる。

●同日発売の『エヴォリミット』とは何かと共通点が少なくない。最たるものはコレか。

「私が望む真の変革とは、人類をより高みへと導くことにあるのだ」
「人は乗り越えなくてはならない障害を与えられた時、初めてその真価を発揮する」
「ならば与えてやればいい。より大きな困難を、種の存亡を賭けた戦乱を」
「終わりなき闘争の果てに、人類は更なる進化を見るであろう」

「進化」がテーマのあちらとは違い、こちらの唐突ぶりは相当なもの。まずシナリオライターを高みへと導いてください。


 推奨度――C。


『うたてめぐり』はじまります。
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